小児の鼠径(そけい)ヘルニア、脱腸の日帰り手術はおだクリニック日帰り手術外科へ
日帰り手術実績 30,743例
(平成19年10月〜令和6年10月)
当院では2cm以下の小さなキズで小児の鼠径ヘルニア(こどもの脱腸)の日帰り手術を行っています。
ヘルニア専門医(日本ヘルニア学会理事)のおだ院長が手術を担当し、麻酔専門医が麻酔を管理します。
小さなお子様の入院の煩わしさがありません。
2015年度日本臨床外科学会雑誌年間優秀論文:「Kugel法を行った鼠径部ヘルニア2,363例の経験」小田 斉
2016年2月に第10回九州ヘルニア研究会を福岡で開催しました。
2017年7月に第72回日本消化器外科学会総会(金沢)のイブニングセミナーにてエキスパートから学ぶ 鼠径部ヘルニアに対する鼠径部切開法~最新デバイスによる既存術式の発展と新術式への挑戦~Kugel法について講演を行いました。
2018年11月29日から12月1日まで第14回アジアパシフィックヘルニア学会がアラブ首長国連邦のドバイで開催され、おだ院長はチタンコーチングした柔らかいメッシュを用いたそけいヘルニア手術(クーゲル法)を発表しました。
日本ヘルニア学会の理事として国内外で幅広い学会活動を行い、ヘルニア治療の発展に貢献しています。
日本ヘルニア学会での長年の貢献が認められ、
ネットでご希望の初診・再診の日時をご予約できます。
※遠方からご来院の患者様で初診翌日に手術をご希望の場合は、ネット予約ではなく必ずお電話:092-534-7507でご予約ください。
小児そけいヘルニアとは
足の付け根から恥骨にかけての鼠径(そけい)部の筋膜が破れ、腸などの内臓の一部が皮下に飛び出す病気をいいます。いわゆる脱腸です。成人の場合は、加齢により筋膜がゆるみ中年以降に発症することが多いですが、小児ヘルニアは、胎生期から腹壁筋膜の抵抗の弱い部分があり幼児期に発症します。
小児の20人に1人といわれるほど多い病気です
小児そけいヘルニアは、小児の20人に1人といわれるほど多く、1歳6ヶ月検診や3歳検診の際に指摘されることが多いようです。赤ちゃんが泣いてお腹に力が入ると、足の付け根が膨らんでくるため、オムツ交換などで気づくこともあります。
腸がはまり込んで戻らなくなる状態を嵌頓ヘルニアといいます。腸が血行障害を起こすと、痛みが強くなり、緊急手術となることもあります。小児のヘルニアは嵌頓しやすいため、注意が必要です。
当院の手術方法
2歳以上では手術をお勧めします
自然にヘルニアの穴がふさがることもありますが、2歳以上であれば手術をお勧めします。成人そけいヘルニアの場合は、形状記憶メッシュを挿入して破れた筋膜を覆う「クーゲル法」手術を行いますが、小児そけいヘルニアの場合は、体が成長期にあるため、メッシュなどの異物は使用しません。
小田 斉:日本ヘルニア学会理事
高位結紮(こういけっさつ)法による手術
小児そけいヘルニアでは、ヘルニアの出口でゆるんだ腹膜の一部であるヘルニアの袋(ヘルニア嚢)を、溶ける糸で縛る手術を行います。袋に水が溜まっていたり、袋が大きい場合は出口を縛って袋も摘出します。とくに男の子の場合は精管を傷つけないように慎重な手術操作が必要です。
麻酔科標榜医が全身麻酔を行います
小学生以上では静脈注射と局所麻酔で手術を行いますが、乳幼児の場合はマスクによる全身麻酔です。当クリニックでは、麻酔科標榜医が乳幼児の全身麻酔を行い、すべての症例を院長が執刀します。小児そけいヘルニアの平均手術時間は約15分です。
術後について
筋膜は溶ける糸を用いて縛り、キズは10~15mm程度と小さく、縫合せずにテープで固定します。術後は2~3時間程度を回復室または個室のベッドで休息した後、歩いて帰宅できます。抜糸や消毒の必要がなく、翌日からシャワー浴、翌々日から入浴が可能です。キズの部分がおしっこなどで汚れても問題はありません。体内に異物は残らず、キズは成長の過程でほとんど消えてしまいます。
お父様・お母様への安心ポイント
24時間体制での連絡受付
帰宅後に熱が出た、具合が悪そうなど心配なことがあれば24時間体制でご連絡をお受けしています。
土曜日・日曜日の手術も可能
小学校を休ませたくない、仕事の都合がつけにくいといったお父様・お母様のために、土曜日、日曜日、祝日も手術ができるよう調整いたします。
費用
福岡市内に在住のお子様は中学3年生まで子ども医療費助成制度の対象になります(入院費自己負担260円)。各自治体で医療補助制度は異なりますので、福岡市以外のお子様はお住まいの市町村にお尋ねください。
ご質問はこちらへ
小児・乳幼児のそけいヘルニアについてご質問があれば、メールまたはお電話(092-534-7507)で遠慮なくお問い合わせください。ヘルニア専門医のおだ院長が直接お答えします。
院長の取り組み
全国から集まった600人以上の外科医の前で、そけいヘルニア手術について招待講演をしています。
(第14回外科フォーラム,平成19年7月29日,グランドプリンスホテル赤坂,東京にて)
Q&A
そけいヘルニアとは、どんな病気ですか?
ももの付け根から恥骨あたり(そけい部)の腹壁筋膜が弱くなり、その裂け目から腹膜に包まれた腸や脂肪など、内臓の一部が皮膚の下に脱出してくる病気がそ けいヘルニア(いわゆる脱腸)です。長時間歩いたり、腹部に力を入れると、ゴルフボール大からこぶし大に足の付け根が膨らみ、下腹部が引っ張られるような 痛みがあります。胎生期から腹壁筋膜の抵抗の弱い部分があり幼児期に発症する場合と、加齢とともに筋膜がゆるみ中年以降に発症する場合があります。外科の 病気では虫垂炎(いわゆる盲腸)とともに最も頻度が高いとされ、その9割近くは男性です。
放置しておくとどうなるでしょうか?
年月とともに、徐々に膨らみが大きくなっていきます。膨らみを手で押さえたり、睡眠中には自然と引っ込んでいることが多いのですが(還納性)、腸や脂肪が 癒着して、常に脱出したままの状態になる場合もあります(非還納性)。脱出した腸が、ヘルニアの出口で締め付けられて血行障害をおこすと(かんとん)、激 しい痛みを生じ、腹膜炎を併発して、緊急手術で腸を切除しなければならないこともあります。
子供や若い女性にもメッシュを用いるのですか?
からだが成長している段階ではメッシュを用いるべきではありません。乳児期や学童期のヘルニアでは、筋膜を補強する必要はなく、ゆるんだ腹膜を切除する従 来法で、ほとんど再発しません。何歳くらいからメッシュを用いて筋膜を補強すべきかは、はっきりした基準はありませんが、私は思春期以降の成人ヘルニアに 対しては、原則としてすべてクーゲル法を用いています。妊娠可能な若い女性にメッシュを用いるかは、専門家のあいだでも賛否両論がありますが、クーゲル法 のように筋膜の下に平坦にメッシュが広がっている状態では、将来、妊娠しておなかが大きくなっても影響ないと考えます。妊娠中はかなりの腹圧がかかるた め、むしろ従来法だけでは再発の可能性が高くなることを危惧しています。