血液の逆流防止弁が壊れてしまったことが原因
下肢静脈の血液は、低いところから高いところへ重力に逆らって心臓に戻っていくため、血管の各所に逆流を防ぐ弁がついています。この逆流防止弁が機能しなくなってうまく閉じなくなり、血液の逆流が起こり、滞留してしまう病気です。下肢の血管が太く浮き出してしまうのが特徴的な症状です。
マッサージや運動で改善するか?
ご質問では、下肢静脈瘤になってしまった状態でマッサージや運動をすることで症状が改善するかということですが、いったん壊れてしまった逆流防止弁は自然に治ることはなく、血液の逆流、うっ滞は続きます。マッサージや医療用の弾性ストッキングなどを着用して、逆流しないよう圧力をかけることで症状の進行は遅くなることがありますが、根本的に改善することはないと考えられます。
将来的に下肢静脈瘤を悪化させないようにするには、外科的治療をおすすめすることになります。
外科的治療の方法について
外科的治療、手術ときくと、安全性は大丈夫か?術後に大きな傷が残るのではないか?高額な費用がかかるのではないか?といったご心配をされる方が多くいらっしゃいます。ご心配になるのも当然かと思います。
当院では、極細のレーザーファイバーを血管内に挿入して行う最新の治療法「血管内レーザー手術」を導入しています。これまでに6900例以上の下肢静脈瘤日帰り手術症例がありますので、安全面では問題ないとお考えいただいて宜しいかと思います。
術後の傷についても、皮膚は切開せずに、1mm以下のレーザーファイバーを血管内に挿入するだけなので残る傷といえば針穴だけです。
そして費用についても、平成23年より波長1470nmの下肢静脈瘤レーザー手術と高周波(ラジオ波)手術の保険診療が認められ、患者様の費用の負担が軽くなりました。当院では保険診療で、レーザーと高周波の2つとも手術を行っています。
その他、ご心配なこと、ご不明なことがありましたら、お気軽に当院にご連絡ください。