今回は胆嚢炎について紹介したいと思います。胆嚢炎がどんな病気か、なぜ発症するのか、どんな症状が出るのか、など基本的なことをご説明したいと思います。
胆嚢炎とは
胆嚢炎は言葉の通り胆嚢に炎症が起きる病気です。
胆嚢から出る胆汁を運ぶための胆嚢管に結石が詰まることによって、胆嚢内に胆汁が溜まってしまいます。これに細菌感染が加わって炎症がおきます。
胆嚢炎は「急性胆嚢炎」と「慢性胆嚢炎」の2種類に大別されます。
急性胆嚢炎
急性胆嚢炎は突然発症します。一般的には6時間以上の継続した腹痛(右上腹部)や発熱、悪心、嘔吐などの症状があらわれます。場合によっては12時間以上痛みが継続することもあります。痛みは右肩甲骨の下部や背中に広がっていくことがあります。急性胆嚢炎になるほとんどの人に胆石の存在が確認できます。
稀にですが、胆石がない状態で急性胆嚢炎を発症する場合があります。これを無石胆嚢炎といいます。これは、長期の絶食、胆管閉塞、糖尿病、動脈硬化症、膠原病、肝動脈塞栓術(TAE)後の胆嚢虚血などが原因となって発症するものです。炎症は重度である場合が多く、非常に容態が悪い患者さんに起こる傾向があることが報告されています。早期の治療が必要になります。
また、ウイルス感染などが原因となり幼児が発症する場合も稀にあるといわれています。
慢性胆嚢炎
慢性胆嚢炎は、長期間にわたって胆嚢の炎症が継続する病気です。過去に急性胆嚢炎を発症した方や胆石を保有している人がなります。胆石が周期的に胆嚢管を塞ぐので、繰り返し痛みが発生します。右季肋部痛、上腹部不快感、鈍痛、腹部膨満感など、いずれも軽度で、圧痛も軽度です。痛みは長引くことはありませんが、治療しないと繰り返します。
予防方法
胆嚢炎を予防するには、胆石を予防することが重要といえます。
胆石は乱れた生活習慣(脂肪の取りすぎ・アルコールの飲みすぎ・過剰なストレス・睡眠不足・運動不足)が原因となっていることが多いですので、日々の生活を見直すことが一番すぐに始められて効果が高い予防方法だと思います。