今回は子供の胆石について紹介したいと思います。
小児の胆石症は患者数も多くなく、とても稀な病気と考えられてきましたが、食生活の欧米化や、超音波検査の普及に伴い増加傾向にある病気です。
何が原因になっていて、どのように症状が出るのでしょうか?
子供の胆石の原因
原因としては、以下のものが考えられています。
・溶血性貧血
細菌感染やアレルギーなどの原因により、赤血球が破壊されることによって貧血を来たす疾患です。
貧血になると、顔色不良、むくみ、めまい、息切れ、食欲不振、動悸、微熱などの症状がみられるようになります。
また、赤血球の破壊で溶血の状態が続くとお腹が張ったような症状が出ることもあります。
・遺伝性球状赤血球症
先天性の溶血性貧血です。赤血球膜の遺伝的異常により赤血球が破壊され、貧血を来たす疾患です。
・総胆管拡張症
胆汁(たんじゅう)の十二指腸への通り道となる総胆管が、全体的あるいは部分的に袋状またはびん状に拡張する病気です。肝臓内の胆管に拡張がみられることもあります。
・胆嚢炎
胆嚢に細菌が増えて炎症が起こる病気です。
・高カロリー輸液施行
高カロリーの輸液を長期に行うことで胆汁の流れが悪くなる状態です。
また、子供の胆石症は原因がわからない場合も珍しくありません。
症状
症状としては腹痛、嘔吐、黄疸、発熱などが現れることが一般的です。
治療方法
内科的治療と外科的治療に大別されます。
結石が小さい場合は、内科的治療が選択される場合があり、主に食事療法、鎮痛剤、利胆剤、胆石溶解剤などが用いられます。
外科的治療としては、一般的には胆嚢摘出術での治療になります。お腹を開けて胆嚢を切除する場合と、腹腔鏡下手術でお腹の中を観察しながら胆嚢を切除する方法があり、一般的には後者の方法が用いられます。
お子様の容態で気になることがある場合は、まずは診察を受けられてください。
きちんと検査をして体調不良の原因を見つけることが肝要かと思います。