成人の10人に一人が持っているといわれる胆石。胆石症でお悩みの方も多くいらっしゃると思いますし、胆石かどうかまだ分からずご不安な気持ちでおられる方もいると思います。
胆石を予防または進行させないようにするには、普段の食事内容がとても大切です。
今回は、胆石と食事について掲載していきたいと思います。
脂肪分の高い食事は良くなさそうなイメージはみなさん持たれていますが、アルコールや甘いもの、塩分量やコーヒーなどの関係もみてみたいと思います。
胆石の主な原因はコレステロール
前回の内容で胆石は「コレステロール結石」「ビリルビン結石」「黒色石」の3種類に大別でき、割合でいうとコレステロール結石が全体の7割~8割ということを書かせて頂きました。
このデータからも分かるように、胆石の主な原因はコレステロールになります。
では、コレステロールを過剰に増やさないためにはどのような食事の注意をすれば良いのでしょうか?
コレステロールとは?
まずコレステロールとは何かというと、細胞の膜を生成する要素であり、ビタミンDの合成を助けるなどの働きをする身体には欠かせない脂質のことです。
種類はLDLコレステロール(悪玉)とHDLコレステロール(善玉)があります。
・LDLコレステロール(悪玉)の働き
肝臓で合成されたコレステロールを血流にのって全身に運ぶ役割
・HDLコレステロール(善玉)の働き
身体に余分なコレステロールを回収し肝臓に戻す役割
アルコールとコレステロール
適量(少量)のアルコールは、善玉コレステロールを増やすことにつながるといわれています。適量というのはビールでは1日中瓶1本、日本酒なら1合、ウイスキーはダブルで1杯程度です。お酒が百薬の長といわれる所以でしょうか。
しかしながら、アルコールを飲み過ぎてしまうと中性脂肪の合成を促進させてしまいます。すると脂質異常症の原因になったり、LDLコレステロールの小型化を招いたりと、いいことはありません。脂質異常症(高脂血症)は胆石の原因になります。
甘いものとコレステロール
アルコールの多量摂取は身体に悪いイメージがありますが、甘いものは別に大丈夫なのでは!?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、甘いもの(糖分)もコレステロールに密接に関係しています。
中性脂肪を増やすのは揚げ物の油や肉などの脂質だと考えがちですが、実際にはほとんどが糖質とアルコールなのです。
摂り過ぎは良くありませんので見直しが必要ですね。
塩分とコレステロール
塩分の摂り過ぎが体中のコレステロール値を上げるという根拠はないようです。
しかしながら、高血圧であったりと違う病気の原因になりますので、控えめにしたほうが宜しいかと思います。
コーヒーとコレステロール
コーヒーに含まれる「カフェイン」、「クロロゲン酸」には、脂肪分解を促進する効果が期待出来ると言われています。適量であればコーヒーを飲むことは問題ないと考えられます。
胆石症を予防、進行させないようにするためには、規則正しい生活習慣と食事内容が大切だということです。胆石症についてご不安なことがある方はお気軽に当院にご相談ください。