スタッフブログ

2016.11.02

鼠径ヘルニア手術の術後の痛みや後遺症など観察項目は?食事は?

鼠径ヘルニアの手術は日帰りで行うことができます。
手術後をご心配される方が多いと思いますので、術後に注意する点について記載したいと思います。

 

術後の痛み

股関節という軟組織に対して手術を行なうため、体を起こしたり、しゃがむ・座るなどの動作時に痛みが走る場合があります。
特に従来の手術方法は、つっぱり感や痛みを伴うものでしたが、当院が行うクーゲル法は痛みが少なく済みます。
また、痛みが気になる場合は、鎮痛剤などの痛み止めの薬を処方していますので、ご安心ください。

 

 

後遺症や合併症はあるか

鼠径ヘルニアの手術後に後遺症が残るということはありませんが、稀に合併症が発生する可能性が報告されています。
主に以下の合併症があるとされています。

 

・感染
一般的な外科手術と比べると細菌感染などでの炎症が起こる確率は低く、仮に感染症になっても大事に至ることはありません。しかしメッシュに細菌がつくとメッシュを取り除くこともあります。

 

・慢性疼痛
疼痛とは、ジンジン,ピリピリ,チクチク,ヒリヒリ,ズキズキといったいわゆる「痛み」、その他に、焼けるような感じ、突っ張り、冷え、だるさなどの、不快に感じる状態をさしています。
手術後に6か月以上疼痛が長く続く状態を慢性疼痛といいます。
過去には、1割~2割の人が手術後に慢性疼痛を発症したと言われていましたが、現在はほとんどそういった合併症は起きていません。神経はヘルニアの穴をできる筋膜の上を走行していますので、筋膜の上にメッシュを固定する手術では神経障害性の慢性疼痛のリスクもあり、術者は手術の際に細心の注意が必要です。当院で行っているクーゲル法は筋膜の下にメッシュを挿入するため、慢性疼痛はほとんど起こりません。

 

 

術後に観察するポイントは?


手術後の観察では以下のポイントについてチェックされると宜しいかと思います。

 

・縫合された傷口(創部)
傷口からの出血や皮膚の変色、腫脹、熱感などがないかを確認します。

 

・疼痛
先に述べたような不快に感じる状況になっていないか確認します。

 

・腸の蠕動運動
蠕動運動(ぜんどううんどう)とは、腸の収縮・弛緩などの動きのことです。きちんと機能して排便ができているかを確認します。

 

・下肢の腫れ
足が明らかにむくみ、腫れていないかを確認します。

 

 

術後の食事で気をつける点は?

手術後の食事制限は特にありません。
しかしながら暴飲暴食はよくありませんので、排便がスムーズにいくような食事を摂ることが望ましいといえます。


その他、手術後にご心配なことがありましたら、クリニックにお問い合わせください。

 

お問い合わせ tel:092-534-7507お問い合わせ tel:092-534-7507 ネットで予約ネットで予約 診療カレンダー