ご自身が下肢静脈瘤かどうかを調べる検査方法はいくつかありますので、それらをご紹介したいと思います。
検査を受ける際の参考にしていただければと思います。
下肢静脈瘤の検査方法の種類
■超音波検査(エコー検査)・ドプラー検査
超音波検査(エコー検査)とは、皮膚の上から超音波をあて、反射してくる情報を映像にする検査です。痛みもなく、検査時間は10分程度です。下肢静脈瘤の診断には、超音波検査装置にドプラー機能が備えられていることが必須です。ドプラー機能により血流の方向や速さなどを測ることができます。血液の流れが映像で確認できるため、異常を視覚的に確認できます。血管の内径を測ったり、血流の速さを測定することができます。下肢静脈瘤の診断では、ドプラー機能を用いて静脈の逆流(弁不全)の程度と部位、範囲を測定することが最も重要です。
※ドップラー効果とは、近づいてくる音は高くなり、逆に遠ざかっていく音は低くなるという原理。
※当院ではこの超音波検査(エコー検査)・ドプラー検査を用いて、下肢静脈瘤の診断を行っています。
■下肢静脈造影(レントゲン検査)
足の甲の静脈から造影剤を注入し、レントゲンで撮影する方法です。
造影剤とは、画像診断検査をより正確に行うために使用する薬品の総称です。注射による痛みと伴うため、現在はほとんど実施されなくなりました。
■容積脈波検査
静脈の容積の変化を調べることで異常を見つける検査方法です。
足にマンシェットという空気を膨らませたカバーを巻いた状態で、つま先立ち運動をします。
この運動により、筋ポンプ機能に異常がなければ血液が多く流れ出すようになり容積に変化があらわれます。逆に静脈瘤ができている場合には容積の変化が出ないため、これにより状況を判断します。
■空気脈波検査
下肢を上げ下げしたときの下腿の容量変化を、空気を媒体として測定することで無侵襲的に下肢全体の静脈還流機能を定量的に評価できます。
下肢全体の静脈逆流、静脈閉塞および下腿筋ポンプ機能が測定できます。
エコー検査の流れ
外来受診時に検査を行います。
まずは足の付け根から足首まで専用のゼリーを塗ります。そこにプローブという超音波を発する機械をあてて、血管の状態をモニターで調べます。
造影検査と違い、痛みはありません。
また、レントゲン撮影とは異なるので、被爆の心配もなく、妊娠中の方も受けて頂けます。
検査にかかる時間は10分程度です。
エコー検査の費用は
健康保険3割負担で、1000円〜1500円程度です。
下肢静脈瘤のエコー検査は何科で受けられるのか?
「外科」「血管外科」「心臓血管外科」で受診されるのが一般的かと思います。
形成外科や皮膚科でも検査及び治療をしている病院がありますが、多くはありません。
エコー検査を受ける前にセルフチェック
ご自身の足に以下のような症状がみられた場合は、下肢静脈瘤の可能性をお考えください。
・足がだるくなった
・足がむくむようになった
・足の血管が浮き出てみえる
・足がつりやすくなった
・足がかゆいことがよくある
・湿疹が出やすくなった
・足に熱がこもっているように感じる
・足がむずむずする
こういった症状がある方は、念のために検査をされることをおすすめします。