局所性多汗症は、発汗する部位によってそれぞれ病名がつけられています。
○頭部多汗症(頭)
頭部多汗症は頭部を中心に発汗してしまう症状です。体温上昇や交感神経の刺激で多量に発汗します。
常に頭皮や髪の毛が濡れている、発汗量が多いときには髪から汗がしたたり落ちているなどの状況になります。他の部位と違って隠しにくい箇所なので、生活への影響が大きいです。また、汗を気にして緊張することでさらに発汗してしまうという悪循環になることもあります。
○顔面多汗症(顔)
顔面多汗症は顔から多量に汗が噴き出してくる症状です。緊張しているときや気温や高いときにはさらに多量に発汗してしまいます。生活をしてく中で顔を隠すことは難しいため、常にハンカチやタオルで顔の汗を拭きとっているような状況になってしまいます。また、女性は化粧が崩れてしまうため、非常に悩みが多い病気です。
○腋窩多汗症(わきの下)
腋窩多汗症はわきの汗は多汗症でない人も、運動した後や暑い日などには汗をかくものです。
しかしながら、多汗症の人は寒いときでも発汗してしまいます。夏場などは薄着になるため汗染みが目立つなどの悩みを持つ患者様が多くいらっしゃいます。
わきの汗ときくと「わきが」と思う方もいるかもしれませんが、腋窩多汗症と「わきが」は別の病気です。腋窩多汗症の汗は基本的には無色無臭です。しかし汗に細菌が作用して臭いとなるため、多汗症の患者様に「わきが」を伴うことがあります。
○手掌多汗症(てのひら)
手掌多汗症はてのひらに多量の汗をかいてしまう症状です。重症度が軽い場合は、手のひらが湿っている、汗ばんでいるような状態になります。重症度が重い場合には、てのひらに水滴ができて汗がしたたり落ちるほどの量の発汗をします。
用紙や本が濡れてしまったり、キーボードやリモコンなどが汚れたり、手をつなぐのを嫌がられるなど、日常生活にも支障をきたし、悩んでいらっしゃる患者様が多いです。手の汗の悩みが強い場合は、当院で行っている日帰り手術での交感神経遮断手術が有効です。
○足蹠多汗症(足の裏)
足蹠多汗症は暑くもないのに足の裏に多量の汗をかいてしまう症状です。汗によって床に足跡がついたり、サンダルが汗で滑って履けないなどの悩みを持たれている方がいます。また、靴や靴下を脱いだときに異臭を発生させることもありますし、足が常にジメジメしている状態ですので、雑菌が繁殖しやすく水虫などになる可能性も高くなります。
少しでも思い当たることやご心配なことがありましたら、ご相談ください。